人心掌握術

こんにちは。テクニカルTのOです。
今日は、人心掌握術というものについて、お話したいと思います。

クラシック音楽に興味がある方はご存知かと思いますが、今年は指揮者のカラヤン生誕100周年ということで、テレビで特集が組まれたり、CD、DVDが発売されたりしています。
 このカラヤンという人物は、一般的にはメジャーでないクラシック音楽の指揮者でありながら、3億マルク(日本円で200億円ぐらい?)の遺産を残しました。もちろん、お金以外にも、500タイトル以上の録音、映像を残し、現在でも売れ続け、総売り上げ枚数は1億5000万枚を超えているそうです。
 3度の結婚をし、ポルシェ、自家用ジェット機やクルーザーを乗り回す派手な生活、自らの宣伝のために音楽を利用しているといった批判など、ゴシップネタも多いカラヤンですが(芸術家に常識を求めてはいけません!)、その指揮における人心掌握術には、非常に長けていたそうです。
 指揮者の仕事というのは、楽団員の練習、リハーサルまでで80パーセントは終わっています。演奏本番は、指揮者急病で代役が振っても、楽団員はそれほど困らないとか(?)

 この練習のときに、指揮者はどのように練習を進め、自らの音楽解釈を伝えていくのか?
 ベルリン・フィルの楽団員たちは、世界トップレベルの音楽家集団で、一人一人が自らの音楽に対する解釈、考えを持ち、しかも、中年のおじさんたちです(若手もいますが)。それが4、50人以上いるのです。
 この人たちをどうやって、一つにまとめていくのか? 並大抵のことではできません。まずは、曲に対する見識が楽団員たちよりも優れていなければ、相手にされません。指揮者は楽器を演奏しませんが、楽器も一つはプロ並みに弾けなければ、相手にされません。
 そして、音楽的な能力以外にも必要なのが、統率力、人心掌握力です。

 カラヤンは、どんなすごいことをしていたのか?
 それほど突飛なことはしていません。巷にある「部下をやる気にさせる方法」と似たようなものです。
 まずは、褒めること。奏者がいい演奏をしたら褒める。ただし、やたらに褒めるのではなく、自分が望んでいることの80%ぐらい達成したら、褒めるそうです。そうすると、楽団員はやる気を出し、120%以上の成果を出すようです。
 そして、注意するときは、人前では叱らない。といっても、たくさんの奏者がいるオーケストラでは、どうすればいいのでしょうか。ここからはカラヤン独特かもしれません。
 カラヤンは、音がおかしい奏者に向かって、ウィンクして知らせたそうです。それに気づいて、奏者はさっと音を直したようです。ただ、たまに鈍感な奏者もいて、それでも、カラヤンはウィンクを送り続けて、周りの団員たちの方の空気が固まっていったとか。
 また、練習中に、出だしを間違えた奏者がいたとき、カラヤンは、声に出して叱ったそうですが、「なぜ、もっと大きい音を出さないのか」と言ったそうです。出だしを間違えたことよりも、自信なさげな音だったことに怒ったようです。
 演奏指示の出し方も、また独特でした。フルートなどがメインで、他の楽器は音量を抑える必要がある場面では、普通の指揮者は「フルート以外押さえて」と言うところを、「フルートの音が聴こえるように」と言ったそうです。フルートの音が聴こえるためには、周りの楽器音は小さくしなければならず、また、他の楽器奏者たちも、耳を澄ませてフルートの音を聴く必要があります。
 この各奏者たちが他の奏者たちの音もよく聴きながら演奏するというのは、アンサンブルや各奏者たちが考えて演奏するようになるとのことで、オーケストラにいい影響を及ぼすようです。「のだめ」にも、このような場面がありました(のだめのミルヒのモデルはカラヤンだそうですが、かなり違う気が……)。

 クラシック音楽の指揮者という誰がやっても同じじゃないかと思われるようなジャンルで、抜群の個性を発揮したカラヤンですが、お勧めの一枚を上げるとしたら。
ベートーベン 交響曲第3番『英雄』 ベルリン・フィル創立100周年記念演奏会DVD
ttp://www.hmv.co.jp/product/detail/1780586

 個性といえば、私たちの業界でも、いかに個性あるお店、他と差別化したお店を作るか、Webサイトデザインについても同様に、課題となっています。
 一人の天才業界人が現れて、この業界も変えていく、なんていう姿も見てみたい気がします。
 何かしら意欲やアイデアがある方には、おもしろい職場です。

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