擬似恋愛です!

確かこのコラムに初めて寄稿させてもらったときだったと思うのですが、女の子に「なぜこの仕事をしているのですか?」と訊かれて「オンナ好きですから…」と答えたというエピソードを書いたような記憶があります。最近、同様に女の子から「どのようにしてこの仕事に対するモチベーションを維持しているのですか?」と前回よりちょっと難易度の高い質問をされて間髪を入れずに口を衝いて出たのが冒頭の言葉です。まあ、「擬似恋愛」というと大袈裟ですが、例えば「今日は久しぶりに○○ちゃんに会えるなあ。元気にしてたかなあ」のような感情が私の毎日を支えているというのは決して大袈裟ではありません。そんな私は品川ラズベリーで責任者を勤めさせていただいているものです。
  
この業界で働いた経験のない方は「風俗業界(の仕事)=女子管理」のようなイメージがあって、それで二の足を踏んでしまう方も多いのかも知れません。確かに、女子管理は非常に重要な業務の一つですし、実際、このコラムでも入社数カ月の新人スタッフが女の子とのコミュニケーションに戸惑っている興味深い体験が幾つか記されてもいます。私の場合は、前職は風俗業界ではなかったのですが、やはり若い女性を扱う仕事、具体的なことはワケあって割愛させていただきますが、この業界の女の子たちより遥かに扱いが難しい女の子たちを相手にしていました。しかし、だからと言って、私は別に女子管理を得意となどしていませんし、正直に言えば、むしろ苦手な方、ただ、上述のように女性全般に対する広く通俗な愛情だけは持ち合わせているので、決して苦にはなりません。そんな私のアドバイスにどれほど意味があるのかは分かりませんが、主に前職で学んだ女子管理、女の子とのコミュニケーションの(私なりの)方法の一つを書いてみます。
 
まず、これは当たり前の話なのですが「上から目線」は絶対にダメです。「女子管理」という以上、管理する側とされる側には当然ながら上下関係が存在し、また管理する側は「上に立っている」という意識がなくてはとても管理などできません。しかし、だからと言って、おもむろに上からモノを言っても反感を持たれるだけです。従って、女の子とのコミュニケーションに於いては同じ目線に立つことが重要になるわけですが、これも方法が二つに分かれます、
 
その一つは、管理する側が女の子の目線に下りてコミュニケーションを取ること。女子管理を苦手だと感じる人の多くは、これに抵抗があるのではないでしょうか? 女の子と無理に話を合わせるために興味のない話題に興味のあるようなフリをしたり、人知れず情報収集を試みたり、勿論、それを苦に感じない人もいるでしょうし、そこに新しい何かを発見することもあるのかも知れません。しかし、例えば、赤ちゃん言葉を話す相手に赤ちゃん言葉で接すれば、そこに速やかなコミュニケーションは成立し得ても、その相手から果たして信頼や尊敬の念を得ることができるかと言えば、決してそうではないというのと同じで、そこに何らか実のある関係を構築するには及ばないはずです。そんなやり方で「とりあえずは騙し騙し…」なんてのは、私に言わせれば不誠実の極みです。
 
ならば、どうすべきか? 自身の目線は下げずに女の子と同じ目線に立つ、そうです、女の子の目線を自分と同じ高さにまで上げてあげれば良いのです。どんなに子供っぽくて我儘な女の子でも、自身と同じ目線にある一人の立派な女性として接してあげる、そんなに難しいことではありません、肩を張らずに普通に接してあげれば良いだけなのです。無理に共通の話題を持つ必要もありません。相手が知っていて自分が知らないことは素直にそれを学び、逆に、自分が知っていて相手が知らないことは教えてあげればよいのです。自身と同じ目線に在る人間として接すれば、当然、相手に要求するハードルも高くなるのですが、そこに目線を共有する者への「敬意」があれば、相手はそんな要求にも快く頷いてくれるはずです。女の子を指導するときに用いる言葉は「やりなさい」ではなく「できるはず」、相手を自分と同じ目線に在ると見做せば、必然的にその言葉が選ばれるのです。
 
何れにせよ、私はそのような心掛けで普段から女の子たちと接しているわけですが、それが女子管理の方法として本当に正しいのかどうかは分かりません。ただ、女子管理の難しさを自分なりに想像して二の足を踏んでいるのかも知れないこのコラムの読者の皆様に対して、女の子とのコミュニケーションのありようも女子管理の方法も様々で、別に難しく考える必要はないとお伝えしたくて今回このようなことを書いてみた次第、ブラウザ越しの誰かの背中に私の手が届いていれば幸いです。まあ、私は所詮、毎日女の子の顔さえ見れば、それだけで仕事のモチベーションが上がってしまう安い人間なのですが…。

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